サブディスプレイ②

前回記事

ノートPCのモバイルディスプレイとして、これまでiPadを利用してきた。しかし、継続使用していると幾つか難点があり、USB Type-C (Alt Mode)で接続できるモバイルディスプレイに切り替えている。

なお、Alt Modeでは、充電と画像入力がケーブル一本でできるため、モバイルディスプレイとの相性が良いが、ノートPC等が対応しているかは要確認となる(Type-Cポートがあれば常に利用できるというわけではない)。 vivitelaeti.hatenablog.com

モバイルディスプレイの選択肢

検討サイズ(14インチ)

次の点を考えて14インチを選択した。

  • 設置環境から幅30cm強が許容範囲内。

  • 利用中のノートPCとあまり変わらないサイズ。

  • 14インチは、画面の対角線が356mm(以下長さの単位省略)であり、縦横はH309×W174となる。本体になると、当然画面より大きく、また、製品によりまちまちだが、A4サイズ(H297xW210mm)より若干大き目であり、通常のビジネスバッグには入る大きさとなる。

14インチの主なラインナップは(価格com)のとおり。モバイルディスプレイとしてはメジャーな13.3インチのラインナップの豊富さと対比すると(価格com)、マイナーなサイズではあることは否めない。

あえていえば、14インチは、ノートPCについては一部メーカーが「今後のトレンド」「アツい」としているサイズである。宣伝のため割り引いて考える必要はあるが、据え置きメインで時々持ち運ぶ場合、ちょうどよいサイズということであり、実際に、近接するサイズよりもシェアの伸び率は良いとのこと(シェア自体は低い)。これに合わせてモバイルディスプレイを選ぶと14インチとなるので、ビジネス用途で伸びてくる…かもしれない。

検討製品の比較表

新興メーカーも含めると他の選択肢もあるが、価格comで参照できる範囲+最近発売されたDellの製品の5製品を比較してみた(2021/9/5現在)。
IPSパネル、解像度1920×1080、アスペクト比16:9、リフレッシュレート60Hzはいずれも共通しているため、比較表では省略している。 また、厚みはスタンド部分を含めるか否かなど、形状により一様の比較が難しいため比較表では省略している。価格も変動するため、上記の価格comのリンクを参照されたい。
こういう比較表には、製品リンクとマニュアルリンクはないことが通常。しかし、あった方が格段に購入検討に役立つのではないか、と勝手に思っており、探して載せてみている。

項目 ASUS Dell HP Lenovo UNIQ
製品名 MB14AC C1422H HP E14 G4 ThinkVision M14 UQ-PM14FHDNT
マニュアル マニュアル マニュアル マニュアル マニュアル マニュアル
主なレビュー ITmediaレビュー PCWatchレビュー  ITmediaレビュー ITmediaレビュー ASCIIレビュー 働くMONOブログレビュー
発売 2020 2021 2021 2019 2020
タッチ × × × ×
表面 ノングレア ノングレア ノングレア グレア ノングレア
輝度 250cd/㎡ 300cd/㎡ 400cd/㎡ 300cd/㎡ -
コントラスト比 700:1 700:1 800:1 700:1 800:1
視野角 178° 178° 178° 178° 170°
応答速度 5ms 6ms 5ms 8ms -
入力方式 USB Type-Cのみ(左側 USB Type-Cのみ(両側 USB Type-Cのみ(両側 USB Type-Cのみ(両側 miniHDMI、USB Type-C(左側
パススルー給電 × ×
角度調整 × 10°~90° 0°~78° -5°~90°(高さ調整も可) ×
自動回転 ○(WindowsOSのみ・ドラバインストール要) × × × ×
内臓スピーカー × × × ×
本体サイズ W324.94xH208.03 W322.37xH202.69 W321.4xH210 H323.37xH220.03 W315.81×H187.69
本体重量 590g 590g 640g 598g 465g
消費電力 7W 6W 6W 6W 10W

コメント

スペックのみを見たコメントは以下の通り。実機を見て比較することは難しく、使ってみるとまた違う部分はあるのではないかと思う。

  • やはりビジネス用途がメインのためか、タッチ方式は非対応、表面処理はノングレア、入力方式はUSB Type-Cのみで内蔵スピーカーはつけない、という割り切った製品が多い。また、角度調整が可能な製品が主となる。
  • UNIQはその意味では割り切っておらず、入力方式にminiHDMIを残しており内臓スピーカーもある。それでいてコンパクト・最軽量である点は評価できる。比較表の範囲外だが、マグネット方式の本体カバーで画面も保護できる点など持ち運びを重視している。ただし、輝度と応答速度が掲載されておらず不明な点は躊躇を覚える。角度調整はできず、角度は慣れの問題もあるかもしれないがやや急な印象があり、同社の別売りのスタンドかサードパーティー製のスタンドを使うか、ただそうするとせっかくのモビリティが損なわれそう。
  • Lenovoも異色であり、タッチ方式、表面処理はグレア。高さ調節は他社にない機能で評価できそうではあるが、おそらくタッチ方式の採用のためか値段も他社比で高止まりしている。
  • Asusは、OSが限定されドライバのインストールも必要だが、自動回転の機能が際立つ。長文の書類を閲覧・編集するのに適した縦置きの利用を現実的にするという点で、優れているように思う。もっとも、モバイルディスプレイの限界で、あくまで横置きがメインなので、上に端子を指すことになり、見栄えは良くない。また、自動回転はできるのだが、他社では可能なことが多い角度調整ができないのがおしい。
  • Dell/hpが標準的といえるか。ノートPCは、片側にしか映像出力端子がないことが通常であり、設置の柔軟性の観点から、入力端子を左右に配置している点は、さすが法人向け製品のダイレクト販売を重視しているだけニーズが良く分かっていると思わせる。

検討結果

入力端子の豊富さ(手持ちのノートPCにはHDMI出力のみのものがある、また、気になっているRapsberry Piとの接続の可能性込み)とコンパクト・最軽量に惹かれてUNIQを選択。
もっとも、入力端子が左右にあり、また、角度調整ができるのは(スタンド部分がやや邪魔になりそうではあるものの)魅力的であり、特に最新のDellが気になっている。

(参考)U字型Type-Cアダプタ

UNIQは入力端子が左側にしかないが、手持ちのノートPCの出力端子が左側にしかない。そのため、ノートPCから、モバイルディスプレイの裏側をぐるりと回してつなぐことになる。最後に、モバイルディスプレイの裏側から側面の端子につけるときにケーブルが膨らむ形になってしまい、取り回しがよくない。

そこで、U字型Type-Cアダプタを購入してみた。充電用ケーブルにはU字型のものはあるが、今回の用途に使えそうだったのはDuttek USB C オスメス 延長アダプタの一択のように見えた。低評価でメーカーHPの所在も分からないため半信半疑であったが、今のところ問題なく利用できており、ケーブルもすっきりした。

f:id:vivitelaeti:20210924161354j:plain

f:id:vivitelaeti:20210924161403j:plain

編集履歴

  • Dell製品についてPC Watchのレビューを追加(2021/9/5)。山田祥平さんのRe:config.sysの記事の一つであるが、いつもながら着眼点が面白い。「すべてのUSBケーブルがこうあってほしい。ただ、ケーブルチェッカーで確認してみたところ、eMarkerは実装されていたがAlt Modeには対応していなかった。つまり、映像は、DisplayPort Alt Modeではなく、DisplayPortトンネリングで伝送されるはずだが、マニュアルにはAlt Modeと記載されている。」とある点は気になる。左右のポートは高評価されており、また「もう、これ以上、そぎ落とすことはないというくらいにシンプルな製品で、2枚目のディスプレイとして誰でも迷うことなく使うことができそうだ。」という点は頷ける。オンラインミーティングで視線がそれてしまうことを防ぐため、モバイルディスプレイをノートPCの脇でなく上におけないか、という発想もすごい。「現実的な作業の効率化と携行性を考慮すれば、モバイルディスプレイはハイブリッドワークの救世主と言ってもいい。在宅勤務で居宅内ノマドを強いられる立場だとすればこれしかないだろう。」というコメントも膝を打ってしまう。無味乾燥な比較表を掲載するだけよりこうすると面白くなるのだなと思う。
  • Dell製品についてITmediaのレビューを追加(2021/9/17)。ディスプレイのみで画面調整できるOSDの機能が極めて限定的である点は気になる。Dellが定義するPC本体のユーティリティ(この記事時点では製品に未対応)に頼る必要が出てきてしまう。
  • Duttek USB C オスメス 延長アダプタの写真追加(2021/09/24)
  • パススルー給電の可否を比較表に追加(2021/10/12)